実例:景気の波を読んで、私はXLEで勝った。
2020年春、世界はパンデミックに覆われ、経済活動が停止しました。株価は暴落し、原油も見るも無残な価格に。
そんな中、多くの人が「逃げる」決断をしました。
でも私は、**「波はいつか戻る」**と信じて、じっと景気の循環を見ていました。
景気循環グラフが頭をよぎった
景気循環には、こんな流れがあります。
景気拡大 → 好況 → 景気後退 → 不況 → 回復
2020年4月。
私は「今は“どん底”。でも、次に来るのは“回復”だ」と確信して、誰も見向きもしなかった**エネルギーセクターETF「XLE」**を拾いました。
XLEに投資する際にエネルギー業界についてはこの本で学びました。
なぜ「XLE」だったのか?
理由はシンプルです。
景気が回復するとき、最初に動き出すのはリアル経済。
飛行機が飛び、車が走り、工場が再稼働し始める。つまり、“石油”が動く。
そして石油に連動する企業群にまとめて投資できるのが、**XLE(エネルギーセレクト・セクターSPDR)**だったのです。
「石油会社は終わり」──その逆を行く決断
原油先物はマイナス価格。
ニュースでは「石油会社の時代は終わった」とさえ報じられていました。

でも、私はこう考えました。
「こんなに投げ売られているのに、明日からまた人は暮らす。エネルギーはゼロにはならない。」
データが証明する。「景気を読む力」の意味
以下は、XLEのリターンと景気局面の対応表です。
年度 | 年間リターン | 景気局面 | 備考 |
---|---|---|---|
2019 | +11.63% | 拡大期(後半) | エネルギーは出遅れ |
2020 | -32.51% | 不況(コロナショック) | 原油価格マイナス |
2021 | +53.31% | 回復期 | 経済再開で需要復活 |
2022 | +64.34% | 好況(インフレ加速) | 資源高と金利上昇 |
2023 | -1.28% | 後退の兆し | 景気減速と利上げ懸念 |
この表が語るのはひとつ。
「どの局面で、何が買われるか」を読めれば、波に乗ることができる。
景気の波とアセット選び──何を買うべきかは“局面”が教えてくれる
景気循環のどこにいるのかを読むことで、**「今、投資すべき資産はどれか」**を判断するヒントになります。
下の表は、各局面で相対的にパフォーマンスが良くなりやすい資産やセクターをまとめたものです。
景気局面 | 経済状況の特徴 | 有利になりやすい アセット・セクター |
---|---|---|
回復期 | 企業収益が改善、金利は低位、景気刺激策あり | 株式全般(特に小型株・ハイベータ株)、エネルギー、素材、景気敏感株 |
好況期 | 経済はフル稼働、インフレ圧力が強まる | 資源関連(エネルギー・素材)、REIT、金(インフレヘッジ) |
後退期 | 成長鈍化、金利は高止まり、企業収益減速 | ヘルスケア、生活必需品、公益、短期債券 |
不況期 | 失業増、消費減退、政策金利引き下げ | 国債、金、ディフェンシブ株、現金ポジション、バリュー株 |
このように、**「景気の波と資産の相性」**を意識するだけで、投資戦略はぐっと実戦的になります。
私がXLEで勝てたのも、「今は回復の始まり」と読んだからこそ。
景気と資産の関係性をつかんでおけば、恐怖に惑わされず、波を味方にできるのです。
勝因は、景気の波を見ていたこと
私は予言者でも、特別な情報源があったわけでもありません。
ただ、「景気は波で動く」という前提を信じていました。
「次に何が動き出すか?」
それを考えただけで、投資に確信が持てたのです。
投資の“海図”は、景気循環にある
嵐の中でも冷静でいられたのは、「波」を知っていたから。
経済は波のように動きます。波を読めれば、いつ漕ぎ出すか、いつ引くかが見えてきます。
景気の波は誰にも止められない。
だからこそ、それを味方につけた者が、生き残るのです。
景気の波について学んで投資のリターンを高めたい方にお勧めの本はこちらです。